ソロモンの戯言

僕が誰かということじゃなく君がどう生きているかに寄り添いたい

ゾクゾクする恋愛相談

今週のお題「怖い話」

 

と、いうことですので近年一番ゾッとした話をします。

 

その当時わたしの家に4歳くらい年下の子が居候のような形で住んでいて、3か月くらいだったでしょうか、一緒に暮らしていたのですが。

居候になる少しくらい前に彼氏が出来たんだという話は聞いていて。

で、彼女が住み始めて1か月しないうちにわたしは家を1か月ちょっと空けることになり、色々なことを任せて旅立って。そして、無事に帰ってきた翌日に久々に話をしたら、わたしのいない間に彼との関係が波乱万丈になったということを延々と語ってくれた、いわゆる「恋バナ」が、まぁ結構なお話なのでして……。

 

その彼女を、Mちゃんとしましょう。

Mちゃんの新しい彼、Sくん。お互いシャイで、少しずつ少しずつ恥ずかしながら距離を縮めていき、やっと「恋人」というフロアに立ってしばらくして。Sくんのちょっとした言動にMちゃんは不安を覚え始めます。

 

まず、ホステルに働いていて国籍多様なオープンマインドのお友だちが多いMちゃんに対して、不信感を募らせていく。

彼女の交友関係を知りたい、という目的のためにFacebookを開設したり、そのくせFacebookに彼女がホステルの同僚と仲良く出かけている写真などを見つけるとそれをキッカケに気分がひどく落ち込んでしまったりする。

どうしたの?話して、とMちゃんが言っても、

「僕の問題だから」「言ったところで君はやめられるか?」「君をそんな風に縛りたくはない」という返事ばかり。かといって彼の気分はちっとも上がらない。むしろ、軽いうつ病のような症状まで出始める始末…。

 

Mちゃんは彼の気持ちと体調を気遣ってなるべく投稿を減らしたりするよう努めるけど他の人が写真にタグ付けをすることまでは防げないし、その写真にイイネを押す人たち(特に男の子たち)に対して必要以上に嫌悪感を募らせていく、Sくん…。

仕舞いには2人で居るときにヒステリックになる始末。

辛くて仕方が無くなったMちゃんは、このままではお互いのために良くないと別れを決意、話し合いの末に一度は離れることで決まったそうです。

 

「本当に苦しかったんですよぉぉっ!」

…なんていうMちゃんの隣でわたしは正直

(どえらいサイコパスに掴まってたのね…)なんて思っていて。

「まぁでも2人で結論出せたなら良かったじゃんねぇ(笑)」

「そうですね…やっぱりお互いにお互いが必要ってことになって、本当につい最近、元に戻ったところなんですよ!!」

 

………え。(笑)

サイコパスと元鞘に戻ったんかいな?!?!

 

「でも本当に色々あったんですよぉ…お互い結構泣いたりとかしたし…」

「…な、なにが一番辛いっていうか、大変だったの?(苦笑)」

 

「いやぁ、だって、彼がどんどん病んでいくのが分かるんですよ!隣で見てて、わたしが誰かと親しくしているっていうことがもうストレスでしかないみたいで、Facebookやめようかなとかも考えたんですけど、そういうことをさせたくはないって言うし…。

それで、どうしたらあなたが辛くなくなるの?!ってわたし聞いたんですよ。そしたら

 

お前が今まで付き合った奴の生首揃えて俺の前に持ってきたら一番ほっとする

 

とか言うんですよぉ…でもそんなの無理じゃないですかぁ?(笑)それで他の方法は無いのかって聞いたりして……。ここまで来るのに本当に地獄の日々だったんですよぉ…」

 

ゾワゾワゾワ~~……もう、ここまで来たら黙っていられないわけですよ。(笑)

「その彼ヤバいんじゃないの…」

「まぁ、確かにちょっと変わってる人ではあるんですけどね~アハハー」

「そうか…ハハハ、まぁ何かヤバそうならすぐ別れなねwww」

「そうですね~でも一番の危機は脱したのでー!」

「(これは何を言っても無駄っぽいな)あ、わたしトイレ行くわ」

 

トイレに入って便器に座りながら、わたしは色々と考えました。

これはヤバい。彼女はサイケ男に捕まってしまった。しかも恋は盲目、こちらの忠告がまるで伝わっていない。どうしようか、と。

 

(とりあえず、その彼を家に呼ぶのだけはやめてねって言おう、うんそうしよう。)

 

そうして便器から立ち上がった時、わたしはとあるものを目にしたのです…。

洗面器のコップに色違いの二つの歯ブラシ……

(ま、まさか)

「…ねぇMちゃん?洗面所のわたしのコップに、歯ブラシ2つあるのアレなに?」

「あ、すいません!!彼とわたしのなんですけど、すぐとりますね!!」

 

 

……サイコパスはMちゃんの知り合いは誰であれ毛嫌いしていて(それはMちゃんも承知の上)、居候させてもらっているということを説明してもわたしに良い印象はちっとも抱いていないとMちゃんから話の流れで聞いていて。

そのわたしに好印象をかけらも抱いていないサイコパスが、すでにわたしの家に足を踏み入れている……!!

その衝撃の事実に、秋も終わりだったにもかかわrず、背筋がゾゾゾーッとしたのでありました……

 

ありきたりなまとめにすると、

幽霊なんかよりも人間が一番怖いよね。